マダガスカルの蛍石


様々な鉱物標本が日本にも流入するマダガスカルですが、意外にも蛍石の標本は過去あまり知られていませんでした。しいて言えば2005年頃にAmborompotsy近辺で産したとされる、水晶に内包された蛍石ぐらいでしょうか。宝石鉱物が産するペグマタイトも複数存在するわけですから、今後の産出自体は期待していいのではないかと思いたいところです。


Mandronarivo

Mandrosonoro Commune, Ambatofinandrahana, Amoron'i Mania, Madagascar

Small cabinet Sized

Mined c. 2017

 

長らく期待されつつも、出回らなかったマダガスカルの"ちゃんとした"蛍石標本。

多種多様な鉱物標本が産するマダガスカルなので、蛍石の標本も当然あるのでは?と思いたいところですが、そんなことはなく。水晶に内包された紫色の蛍石が知られる程度で、今まで蛍石らしい蛍石標本というのは知られていなかったのです。

そして2017年の中頃からマダガスカル以上の産地が不明瞭でちらほらと見かけるようになり、2018年のツーソンを機に大きく流通しました。

濃い緑色を基調として、エッジの部分がすこし透明度が高くなるおおむね半透明でマットな結晶。

長波でも比較的蛍光するのも特徴ですが、同時にダメージをうけた標本が非常に多く、この標本ですらかなり状態は良いほうといえるでしょう。

個人的には左のちょっと透明度が高いサブ結晶とか好みです。なんにせよ、今後に期待な産地です。

(2019/1/14)