El Hammam Mine, Meknès, Morocco
Small Cabinet Sized
Mined in 1990's
白い方解石にのった、緑色の蛍石。それに少々くすんだ黄鉄鉱が上乗せ。
蛍石の細かいステップが美しい反面、色合いは多少弱いです。でも全体としては綺麗めにまとまっている。そんな感じ。
これ、海外の有名ディーラーがなくなる直前に購入した、ちょっとした思い出のある蛍石なんですよね。そう、まだもっと駆け出しのころに。
El Hamman鉱山は1930年代から続く古い鉱山で、蛍石の一大産地でもあります。産出した蛍石の色合いは幅広く緑、黄色、紫、青色、あるいはまじりあった多色に至るまで。日本人のコレクターにとっては、きっと水晶を伴った濃青色の蛍石が一番良く知られるんでしょうね。黄色もけっこうけっこう綺麗な色合いのものが多いのです。
(2018/2/25 編)
Fluorite Quarry, Jebel Tighemi, Taourirt, L'oriental, Morocco
Miniature Sized
Collected in Mid-2017
昨今目立ったNew Findの乏しい蛍石界。そんなコレクターが試されている状況で、これは2018年ツーソンのノベルティだったと思うんです。
産地自体は20年ほど前から知られ、蛍石コレクターならばTaourirtから綺麗な紫色の蛍石が出ることはご存知でしょう。ただ砂漠の中にあるとかで何年か前から稼行しておらず、10年近く良質な標本を見かけなかったのです。今回は再開されたようで、良質な蛍石をちょっとだけ見ることができました。問題は産出が続いてくれるかですよね、こういうのって。
白いロゼット状の重晶石に黒がのったシックな母岩、宝石質でツヤのある蛍石、引き締まったミニチュア標本。重晶石も白黒のライチョウみたいでカッコいいでしょ?
実はとある写真を見た瞬間から、これと別の標本に一目ぼれ。確保してくれた業者さんに感謝です。もう一個の大きめ標本は、某有名コレクター夫妻のところに旅立っているという。選球眼にうんうんと頷く内心、悔しさも残りますね。
(2018/2/25)
Taourirt, L'oriental, Morocco
Miniature Sized
Collected c.2020
どうやらまだ少しづつTaourirtから綺麗な紫色の蛍石は出ているようで、2017年以降も時々ミネラルショーやネットで見かけたのではないでしょうか。この標本もそれらの一例で、おそらく2020年前半に産したものです。
おそらく赤鉄鉱によって黒く覆われた蛍石の母岩、そのうえを装飾するキラキラとした方解石、そして鮮やかな紫色の蛍石のバランスは絶妙で、昨年2020年に入手した標本の中でも特にお気に入りの一つです。
さらに紫色の蛍石には"とろみ"を伴ったと形容したくなる透明な部分と、わずかに蝕像をうけてざらついた表面が混在していて、どことなく陰陽を想起させます。
こういう標本ばかりを集めれば、いわゆる"Fine Mineral"コレクションに近づいて行くのかもしれませんが、蛍石オタクとしては変な産地の変な標本も欲しくて仕方ないので、そういうことなのでした。
(2021/3/5)
Unnamed prospect, El Hammam, Meknès, Morocco
49mm×35mm×14mm Largest crystal = 4mm
mined in Circa 2012
モロッコの紫色の蛍石と水晶。
いつものようにイギリスの蛍石を購入していたら、おまけとしてもらったもの。結構きれいで面白いので記事にしてみました。
なんでも、産地自体はモロッコのEl Hammam周辺なのですが、El Hammam鉱山ではなく、そこから3㎞ほど南に位置するprospect(採鉱有望地)のものとのこと。
そのうちしっかりした名前がわかるとさらに嬉しいんですけどね。
この標本自体はドゥルージーな水晶と共に数mmの紫色な蛍石が群れています。わりと可愛い感じで、よくあるモロッコの黄色や緑とは違って面白いですね。