アリゾナ州の蛍石

 

アリゾナ州はツーソンショーが行われる州なので鉱物好きにとってはなじみ深い場所ですが、アリゾナ州の蛍石というとアメリカの中でもマイナーに思えます。

しかしHomestake MineやHeson Mineの物が流通ある程度流通していますし、近年はLa Fluorita Dulcita prospectの蛍石が新産地として出回っています。また、その他にもHull Mineなどは青色の蛍石なども産出しています。

しかしなぜかアリゾナ州の蛍石は、八面体結晶を成していることも多く探してみると面白いです。

 



La Fluorita Dulcita prospect

"Sugar Fairy pocket", La Fluorita Dulcita prospect, Cochise Co., Arizona

42mm×28mm×18mm


アリゾナ州の比較的新しい産地からの標本。


薄くプレート状の水晶(方解石仮晶)の上をザラザラ感のある紫色の蛍石が覆っています。

形は八面体でエッジに近くなるほど色が濃い模様。

強いて例えるならば、白と紫の混じったトルコギキョウのような印象の標本でしょうか。


La Fluorita Dulcita prospectは2011年から採集が始まったとされる産地で、この標本と似た色合い・組み合わせの標本を世に送りだしています。(これは恐らく2012年産出のもの。)

一部の標本では"Ochsenauge"(ドイツ語で雄牛の眼の意)と呼ばれるタイプのものもあるのだとか。

ただ個人の所有する牧場(もしくは農園)内にあるため、正確な場所は実は明らかにされていないみたいです。


Homestake Mine

Homestake fluorite

Homestake Mine(Jack Pot Mine), San Francisco District, Oatman District, Black Mts, Mohave Co., Arizona, USA

70mm×45mm×39mm Largest = 33mm

13年池袋ショーにて入手

 

アリゾナ州・Homestake鉱山の八面体蛍石。

淡いシーグリーンで表面が若干エッチングされてざらざらした標本。

母岩が付いていないので大味な印象も否めないのが何とも言えない。この淡い緑色や形自体は好きなのですが…。

 

Homestake鉱山の蛍石はある程度流通しているようで、その多くは表面がザラついた感じのする淡緑色で八面体結晶です。

微細な水晶と共生していることも多いみたいで、他にも表面のみ緑色で、ほぼ紫色のものも産出されるようですが実物は見たことがないです。


Colorado Mine cementary area

colorado mine area Arizona fluorite 蛍石 アメリカ

Colorado mine cementary area (lincolon mine group?), Castle Dome District, Castle Dome Mts, Yuma Co., Arizona, USA

63mm×50mm

 

アリゾナ州の蛍石でもColorado mine cementary areaと名が付くものは初めて見たのですが、思いのほか綺麗だったので一つ購入してみました。

 

基本的にうっすらパステルグリーンに色づいた蛍石ですが、半分程度はさらにその外側が紫色に覆われており優しい色合いです。

透明で最大8mmの結晶ですが、色の組み合わせ的には葡萄。

 

この産地は詳しく調べたところLincolon Mine groupの表記のことなのか、現在は一帯が動物保護区に指定されているとか。