コネチカット州の蛍石

 

コネチカット州の蛍石は基本的にレアです。蛍石コレクターといえども所持しているという人のほうが少ないぐらいの。ですけれども、いくらか特筆すべき産地があります。ひとつはDruhamk近傍のReed's Gap QuarryですそれからTohmastonダム建設時に産したもの。これらが最も有名かもしれませんね?そして最後にOld Mine Parkです。


Old Mine Plaza

Old Mine Plaza, Long Hill, Trumbull, Fairfield County, Connecticut, USA

2㎝ wide

Collected c. 2002-2003

 

まず標本だけを見て取ると2㎝ほどのサムネイルで、1cmにわずかに満たない八面体式で淡緑色の蛍石が可愛らしいものです。アメリカのレアな蛍石と考えると、蛍石オタクには十二分に響く標本でしょうし、そもそも産地を言わなければ、ペルーかな?とか皆目見当がつかなさそうな見た目なのも愉快なものです。

Old Mine Plazaの近傍にはもともと北米で開発された最初のタングステン鉱山が存在していました。その後1990年代になってからタングステン鉱山跡の北西に複合商業施設の建設が計画されたものの頓挫し、2009年からホームデポが建てられ現在では絶産となってしまった、そんな産地です。ですからこの標本は商業施設の計画がとん挫している間に採集されものなのでしょう。

(2021/10/15)


Reed’s Gap Quarry

Reed's Gap Quarry, Durham, Middlesex County, Connecticut, USA

3cm tall aprox.

 

なんてことはない水晶の上に黄緑と紫からなる蛍石がのった標本。なんてことはないは言い過ぎたか。訂正しよう。ちょっといいだけの蛍石標本。これを10年近く探していた。

話をコネチカット州の蛍石だけに限定すると、Reed’s GapはThomaston Damと双璧をなすと思う。初めてその存在を知ったのは、確か「DurhamFluorite」あたりで検索をかけていたとき。もちろんイギリスのDurhamを意図してだ。その際、偶然にもHerbOboddaの標本を見つけたのだったと思う。「Durhamで緑の八面体なんぞでるわけないじゃろ」と一笑に付そうとしたら、イギリスではなくコネチカット州のDurhamだったのである。こんなので出るのかと。そうすると当然入手しようと試みる。その気になれば画像はたくさん出てくる。しかも結構かわいい緑の八面体とか、緑と紫のバイカラーで。でも、購入できるものは全然出てこない。こんなのってあんまりだろ・・・みんなも探してみようぜ!Durhamの蛍石(コネチカット)

 

(2024/11/4)