アイダホ州の蛍石
アイダホ州は州の愛称が”宝石の州”ということですが、蛍石に限るとアイダホ州の蛍石というのは国内はもちろん海外市場でも見かけることのほぼないものです。
かろうじて市場へと流通する蛍石産地は存在しているようで、Mindat等を見る限りでも数個の産地が確認できます。しかし残念ながら一級品と呼ぶには厳しい質のものしか出回ることはないようで、こと蛍石という尺度では”宝石の州”とは言い難いかもしれません。
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Garden Creek Mine (Garden Creek Silver), Bay Horse District, Custer Co., Idaho, USA
55mm×52mm×45mm
Ex. Bryce Colwell Collection, Prev. Lanny R. Ream
ほとんど遭遇することのないアイダホ州の蛍石標本。
その中でも一応Mindatなどにも記載のあり、ごく稀にではありますが見かけることのあるといってもいいGarden Creekからの標本。
お世辞にも蛍石の質はいいとは言えません。結晶のサイズが最大2cm級といえば聞こえはいいですが、ダメージあり、透明度はいまいち、色合いもそれほど、そして何より普段は避けるであろうOiled。
しかしそれでも入手したのはアイダホ州の蛍石だからで、それだけで十二分の価値が存在しています。少なくとも私には。
色合いについては、あまり質の良くないヤオガンシェンに似ているといいましょうか、薄くパステルなグリーンとわかりづらいファントム。よく言えば落ち着いた色合いとも言うことができるでしょう。
また明らかな貫入双晶になっており、ブラックライトで青紫に蛍光もします。
なお前の前の持ち主はアイダホ州の鉱物ガイドブックなどを書かれているお方のようです。