インディアナ州の蛍石
インディアナ州はそれぞれ蛍石の有名産地であるイリノイ州、オハイオ州、ケンタッキー州に3方向を囲まれ、Mississippi-valley typeに分類される鉱山が多いようです。 市場で見かける蛍石は大抵がFort Wayneもしくは、May Stone and Sand Quarryとラベルされたクリーム色の蛍石となります。 一応極まれにCorydon Cruashed Stone QuarryのものやCave Stone Co. Quarryのものなどを見かけますが、大きいサイズの物は見たことがないです。
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May Stone and Sand Quarry, Fort Wayne, Allen Co., Indiana, USA
95mm×65mm×55mm Largest = 16mm
アメリカの蛍石でオーソドックスと言えるイリノイ州やテネシー州、ニューメキシコ州、オハイオ州など以外の蛍石を探し始めると、目にする機会が多くなるでしょうインディアナ州産の蛍石標本。
そのインディアナ州の蛍石産地としては筆頭に挙げられるMay Stone and Sand Quarryの蛍石。
典型的なクリーム色とも称される淡い茶色系統、透明度の高い蛍石が母岩のエッジに沿って2個のっています。オハイオ州・WhiteRockQuarryなどのオレンジに近い茶色と若干似てはいますが、それよりも薄い黄茶色といえ蛍光も若干ピンクに近い蛍光です。
インディアナ州らしいクリーム色、オシャンティーで私は好きです。。
入手した際には鉱物店のラベルも含めて4枚のラベルついてきて、かなり旅をした標本であることがうかがえます。そのうちの一枚はColorado school of minesの古いボロボロとなってしまったラベルですので、いつかの時期に放出された経緯があるのでしょう。
様々勘案するにおそらくは1960年代に良品が産出した時のものではないかと推測しています。
May Stone and Sand Quarry自体は1952年から採掘されていますが、この産地のものは綺麗なクリーム色をした蛍石を細々と産出しています。日本のサイトでも稀に見かけます。
May Stone and Sand Quarry, Fort Wayne, Allen Co., Indiana, USA
Miniature sized
蛍石の結晶は2cmほどで、これよりも大きい結晶というのは多く存在しています。しかしミニチュアサイズの標本のなかで、これより均整のとれたFort Wayneの蛍石を私は見たことがないです。
明らかに60年代や70年代の往時に採取された古い標本です。
アメリカの蛍石でオーソドックスと言えるイリノイ州やテネシー州、ニューメキシコ州、オハイオ州など以外の蛍石を探し始めると、目にする機会が多くなると述べたインディアナ州の蛍石ですが、かといって潤沢で入手が容易というわけでもないんですよね。
同じアメリカ中西部のオハイオやミシガンのあの茶色い蛍石を考えると、このクリーム色とでも形容すべき黄色は独特です。蛍石コレクターとしては外せない、クラシックな産地の一つといえるでしょう。