ミズーリ州の蛍石
Sweetwater Mineなど幾つか有名な鉱山のあるミズーリ州ですが、こと蛍石に限るとほぼ聞ききません。 しかし地理的には蛍石の産出で著名なケンタッキー州やイリノイ州に接しており、あくまでレアではありますが市場にもでまわります。 代表的な産地には2001年に閉山したPea Ridge鉱山があります。
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Pea Ridge Mine, Sullivan, Washington Co., Missouri, USA
Thumbnail Sized Mined c. 1970's
そもそもがミズーリの蛍石はほぼ見かけることはありません。
時たまTri-stateと称する蛍石が出まわります。しかしそれらは、産地としての価値が今ほど重要視されていなかった時代(例えば1960年代)にイリノイ州の蛍石が、方解石や黄銅鉱などの一大産地であるミズーリで売られていた時のもの。物理的距離が近いので、イリノイでとれたものがミズーリのRock Shopで売られる。そういうことだと推測できます。
さてそんな中、ちゃんとミズーリの蛍石として知られるのがPea Ridge鉱山です。同地は2001年に閉山した一大鉄鉱山であり、アメリカで最後まで稼鉱していたunderground iron Mineなんだとか。この鉱山の蛍石は紫色がベースですが、黄銅鉱や方解石と共生することが多く、加えて表面が赤鉄鉱に覆われて赤褐色やほぼ黒色にみえたりします。普段我々が見かける蛍石標本とは少し違った雰囲気で面白いですよね。
この標本も紫色の蛍石が一部赤鉄鉱にコーティングされ、黄銅鉱が幾つか散らばっています。普通に見る分には濃い紫色で透明さを感じませんが、バックライトをあてるとある程度の透明感があり、写真のように綺麗なんです。
(2018/10/27 編集)
Concord Village, Saint Louis Country, Missouri, USA
32mm×15mm×20mm Largest = 5mm
滅多に見ないミズーリ州の蛍石の中でも、更に見かけない産地の蛍石。
それほど大きいサイズではありませんが、中心が黄色で外が紫色のすりガラスのような表面が寒天ゼリーみたいで可愛いです。
無理にいえば、紫ファントムと黄色、無色透明のトリカラー。
ミズーリ州の業者から購入したのですが初めて見聞きする産地でした。店主の言うところによるとあまり知られていない産地だそうです。Mindatにも載っていないあたり、個人で掘っている人がいるのか?