ニューハンプシャー州の蛍石
ニューハンプシャー州は蛍石コレクターにとって知名度のある地です。それは色鮮やかなミント~緑色の蛍石で良く知られるWilliam Wise鉱山を擁するからです。この鉱山はルースにした際にも非常に美しいことが知られており、ルースマニアにとっても有名な地です。一方で、William Wise以外の蛍石産地はあまり知られていません。ちゃんと幾つか存在しているんですけれどね。
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William Wise Mine, Westmoreland, Cheshire County, New Hampshire, USA
Ex. Rober Whitmore coll.
Small Miniature size
アメリカの蛍石といえばイリノイ、ニューメキシコ、オハイオ、ニューヨークあたりがまず思い浮かぶことと思います。しかし緑色の蛍石となると、ニューハンプシャー州のここWilliam Wise鉱山がもっとも有名かもしれません。
鮮やかで清涼感のある緑色とルースにした際の透明度が特筆すべきな一方で、蝕像をうけたルーズな結晶が多く、鉱物標本としてパッとした物が案外少ない産地です。
この標本も鮮やかな緑色の蛍石が水晶と共生した、産地の特徴をよく捉えたものです。緑色の八面体の上に更に無色の蛍石が成長している所もポイント高めです。
William Wise鉱山は1890年頃から蛍石鉱山として稼鉱したものの、20年と少しで終わりを迎えています。しかしその後も現在に至るまで蛍石標本やカット用原石を目的としてちょこちょこと続いている、そんな感じです。
(2022/6/10)
Redstone, Conway, Carroll Co., New Hampshire, USA
Ex Shields Flynn Collection
探していたんですよね。Redstoneのバイカラーになった蛍石。
綺麗なものは本当に全然見つからないんですよ。見慣れない人からするとナミビア・Okorusu鉱山っぽいカラーでしょうし、あるいはコロラド州のAstroPocketにもやや似ている印象もあたえますが、色味はちゃんと緑と紫で異なるものです。2.5cm程度のサムネイル標本ですが、かなり印象に残る標本です。
こういうのはいくらあってもいいですよね。
ConwayはWilliam Wiseを除くとNH州で最も良質な蛍石を産します。その中でも主たる産地は二つあって、ひとつはMiddle Mountain、もう片方がこのRedstoneです。前者は正直野暮ったい大き目結晶が大きい一方で、こちらは比較的カラフルな標本もでるのです。両者ともに入手はかなり困難ですけどね。
(2021/12/24)