ウィスコンシン州の蛍石
ミシガン湖、スペリオル湖に面したウィスコンシン州は歴史的には鉛鉱山で有名だったとあります。
蛍石で有名なイリノイ州の北に存在し、周囲には同じく有名な蛍石産地を擁するインディア州、ミシガン州、アイオワ州、カナダ・オンタリオ州などに囲まれている一方で、ウィスコンシン州産の蛍石標本というのは見かけることは全くと言っていいほどありません。
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Sturgeon Bay quarry, Door Co., Wisconsin, USA
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Ex. Frank Melanson Collection
ほぼ見かけることのないウィスコンシン州の蛍石。
色合いはオハイオやインディアナあたりの蛍石に近く、鮮やかなイエローの結晶にはわずかに紫色の斑点やゾーンが存在しています。
色合いだけでなく蛍光も前述の2州に似ており、ブラックライトでもクリーム色に蛍光し若干燐光します。
ウィスコンシン州の標本であるということを考慮すると、かなり上質なサムネイルだとしていいでしょう。
著名なカナダ人ディーラー/コレクターのMelanson氏のサムネイル・コレクションから放出されたもの。
氏の放出品は数年前は良く見かけましたが、最近では市場から姿を消してしまった感がありますね。
(12/25/2016 編)
Sturgeon Bay, Door County, Wisconsin, USA
4.5cm wide
Collected in 1973
おおよそ2か月ぶりのブログの更新でした。なにがきっかけだったか、今でも交流のある旧Twitterの相互フォロワーの鉱物ブログをみて思い立ったんだったか、それとも何だったかもうよく覚えていませんが、10年くらい前に蛍石のブログを作ろうと始めてからこんなに長期間更新しなかったことは初めてです。最初は週1の更新をつづけて、数年後標本の質をあげることを優先して月2の更新にかえて現在まで来ていましたから、こう考えると結構長期間です。つまりエネルギーを要するタスクということです。更新が止まった理由が蛍石の蒐集を辞めたというわけでは全くなくて。Xをフォローしてくださっている方はこいつアイスコーヒーかパスタかタコスしか作ってねぇじゃんと思われるかもしれませんが、それはその通りですね。要は人間の趣味や生活、仕事など活動できるエネルギーの総量は定まっていると思っています。かつてアニメやライトノベルへ充てられていたエネルギーが、蛍石蒐集とブログを作成することに変質していき、現在はニート業やリアルな物事への対処にエネルギーを半強制的に消費させられるわけです。幸か不幸か、はたまた不幸せふう匂わせ幸福自慢かとかそんなことは置いといて、現実に生きるという事はエネルギーを消費させられますからね。ゲームの中ではリンゴ食べたり、石砕いたら行動力は回復しますけど、人間は回復しないんですよ。カフェイン最高。それから現在の世界的な鉱物ブームもブログの更新を遅延させている遠因です。鉱物ブームが悪といってるわけではありません。そうとらえかねられませんが違います。世界的に鉱物標本の価格が上昇していますし、この1~2年は特に顕著です。枯渇していると言われ続けていた標本が、本当に枯渇しています。ほしいと思った標本が「3500ドル、50万円です。財布ちゃん喜んで死んで♡」的な案件が頻発しているわけです。ニートにはこれはつらい。つまりカフェインをキめるしかないってこと。でもインドネシアのスマトラ式と、ケニアのSL28だけはやめてください。苦手なんで。
劈開した蛍石の破片を踏んづけたみたいな話を延々書きましたが、これは滅茶苦茶珍しい蛍石です。何年かぶりに売りに出されているのを2022年にみかけて即飛びつきました。そうしたら売り手側からも滅茶苦茶長文のお手紙で、「めっちゃ珍しい(要約)」って送り付けられてきました。
ウィスコンシン州東部、ミシガン湖とグリーン湾を隔てるドア半島に位置し、ウィスコンシン州でが結晶標本らしさをもった蛍石はここぐらいしか私も知りません。1973年、駐車場の建設中に見つかった蛍石です。茶色から黄色の蛍石で紫外線をあてると良く蛍光する、方解石を伴う、オハイオ州とかではよくありそうな、お隣ミシガン州でもHolloway Quarryだったらありそうよねとか、そんな感じの標本。でもこれはウィスコンシン州の蛍石で、その駐車場として病院の駐車場として利用されているらしい。要はもうとれない。儚く珍しい存在。カフェインキめような。
(2023/9/23)