Yaoganxian Mine

Yaogangxian Mine, Yaogangxian W-Sn ore field, Yizhang Co., Chenzhou Prefecture, Hunan Province, China

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紫が混じった複雑な青緑色で、透明度もよい美麗なサムネイル標本。

毛鉱あるいはブーランジェ鉱の内包も確認できるヤオガンらしい共生ですが、この手の緑が綺麗なものは近年見かけなくなってきました。

 

Yaoganxian鉱山というと古くは1914年から稼働しているとされるタングステン鉱山で、蛍石を含めた数多くの鉱物標本を市場に供した産地として広く知られています。

蛍石に着目すると無色~青、紫系統のものがおおく、一目してYaoganxianだなとわかるものも多いでしょう。

 (2017/1/28 編)

Yaogangxian Mine, Yizhang, Chenzhou, Hunan, China

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ヤオガンシェン、サムネイル、バランスがよい。以上終了!!

雑に説明するならばこれで事足りてしまうのが困ったところ。もう少ししっかりと描写しましょうか。

蛍石と比する長い水晶にこの産地らしい青緑の蛍石がバランスよくついて、手前の水晶で挟まれている。蛍石には紫のファントムがあったり、緑泥石がついていることが良いアクセントとなったとても”可愛い”サムネイル標本。

閉山したとされるヤオガンですが、なんだかんだ標本の流通は多いです。時にはデッドストックだったのか、実際に新しく産したのか、実はおいちょっと待って?…といった具合に”新しい”標本も出回る有名鉱山ですが、これはClassicなヤオガンといっても良いでしょう。

(2019/3/8)

Yaogangxian Mine, Yizhang, Chenzhou, Hunan, China

3cm wide

 

水色や紫色を基調として、独特ともいえるファントムを伴うことで、ヤオガンシャン鉱山の蛍石には、なんというか「ヤオガンらしさ」というものがあるように感じます。

ところで、です。ヤオガンは結晶形のバリエーションも豊富だったりするんですよね。

ありふれているとは言えませんが貫入双晶は時折みかけますし、ごく稀ですがスピネル式双晶の蛍石も存在しています。

さてこれは、そんな貫入双晶の標本です。しかもまさにヤオガンらしい蛍石としての特徴をもちつつも、水晶と融合しちゃった感じの。

明らかに蛍石、貫入双晶の標本ですが、それだけというには水晶の主張がいささか強い、コンビネーションピースというやつです。このバランスの標本は、ほかの国の標本でも見たことなかったりしますから、やはり中国大陸の懐の広さというものなのでしょうか。

(2020/10/16)

Yaogangxian Mine, Yizhang, Chenzhou, Hunan, China

2.5cm wide

Ex. Martin Jensen Collection

 

青紫色,の蛍石、そして無数光沢をそえる黄鉄鉱。

これに類似した組み合わせはスペインのLa VIesca鉱山であったり、ポルトガルのPanasqueira鉱山、あるいはイリノイ州のDenton鉱山などでも認めますが、いずれにしても見る者の心を動かすものです。

この標本も見るからに美しい、Martin翁の元コレクション。氏の入手時期から察するに、2004年から2005年頃の産出と思われます。

八面体式の蛍石の結晶から立方体式の結晶が成長していくさまもよくわかる、星空を切り取ってきたんですね。

(2021/8/20)

Yaogangxian Mine, Yizhang, Chenzhou, Hunan, China

3cm tall 

 

久しぶりにヤオガンシャンの蛍石を購入した気がした。実際、3年ぶりぐらいだった。

 

SNS上で同地の蛍石を見ない日はない、それぐらい溢れている。氾濫している。四半世紀も昔のコレクターならば、同じような感想をイリノイあたりにいだいたのだろうか。よくわからんね。大抵の場合、オタクはありふれていないものを探すからね。まぁ。つまるところ。食傷気味だったのだ、ヤオガンシャンに。

 

ではなぜかというと。産地を間違えられていた。

「可愛いじゃん、産地どこよ」「浙江省っす」「あっあ(たぶんあの鉱山かなぁ。産地あとで詳しく調べるか)、買います」「あ、これヤオガンシャンだったわ」ってわけ。まぁいっか。可愛いは正義なんで

(2024/10/7)


Shangbao Mine

Shangbao Fluorite

Shangbao Mine, Leiyang Co., Hengyang Prefecture, Hunan Province, China

40mm×35mm largest = 15mm

 

近年ブランド化しているShangbao鉱山の階段状蛍石。

母岩はドロマイト。ちょびっとですが、水晶もついていす(写真三枚目)

5mm~15mmの水色に少し紫色が差したCubododecahedronの蛍石が三個ついています。

個人的にはこの青に紫が差した色合いというのが特に好み。

 

Shangabo鉱山の蛍石は近年とくに欧米で人気があるようで、Yaogangxianと同様にブランド化してしまっています。

この鉱山の蛍石といえば、ドロマイトを母岩とした細かい階段状の蛍石が有名ですが(この標本のようなタイプです)、単純な結晶面のものも存在しています。

というのも、そもそも古くは単純な結晶面のものが産出していたのですが、鉱脈を掘り進めていくにつれて段々と細かい結晶面のものが産出するようになったようです。


Dongshan Mine

Dongshan Mine, Xianghualing Sn-polymetallic ore field, Chenzhou Prefecture, Hunan, China

Miniature Size

 

東山鉱山の蛍石と水晶の共生標本。

薄い青緑にくっきり青いゾーニングが綺麗で、目を惹きつけます。

透明度もかなり良いですが、一部に欠けがあるのだけが残念。

 

緑色で透明な蛍石で広く知られるXianghualing Mineのそばに存在している鉱山とのことですが、色はあまり似ていません。タングステン鉱床であり、灰重石の綺麗な結晶も流通しています。

(2017/1/29 編)

Dongshan Mine, Xianghualing Sn-polymetallic ore field, Chenzhou Prefecture, Hunan Province, China

Mined in 2016

43mm×40mm×30mm

 

一粒で二度おいしいミニチュアもの。

一つは奇怪なファントム模様。鮮やかなエメラルドグリーンの蛍石には、紫色のファントムが散らばっています。

形は八面体にちかいですが、あくまで立方体と十二面体由来の面が段々に形成されたもの。

 

もう一つは、方解石の水晶仮晶。方解石の犬牙状結晶が水晶に置き換わったものが、白いアクセントとなっています。

これでトップが割れていなければ、手の出せないお値段になっていたことでしょう。

 

2016年の春ごろに採掘されたもの。話によるとDongshan鉱山はまだまだ現役の鉱山として稼働している模様、今後もきっと面白い蛍石を出してくれるに違いありません。

 



Dongposhan Mine

Dongposhan Mine, Dongpo ore field, Yizhang Co., Chenzhou Prefecture, Hunan Province, China

18mm×12mm×12mm

 

ここ数年よく見かけると思う、Dongposhan鉱山の可愛い標本。

 

中心が紫色で淡く水色の蛍石と薄く板状の方解石の組み合わせで、蛍石はステップを形成しているため色合い形ともにShangbao鉱山のものと類似しているといえるでしょう。

またステップがあるためわかりにくいですが蛍石の裏側は貫入双晶となっており、2㎝にも満たない大きさの中に多くの要素が詰め込ます。可愛い。

 

 

Dongposhan鉱山は近年よく見るDongpo Ore Filedの中の一つで、市場においてはDongpo鉱山などとも称されている様子。中国の鉱山についてはさほど詳しくないのですが、現在の鉱物市場を見る限りDongpoの綺麗な紫色の標本が良く流通しています。


Xianghualing Mine

Xianghualing Mine, Linwu Co., Chenzhou Prefecture, Hunan Province, China

75mm×55mm×40mm 

Ex. Oliver Konczer Collection

 

蛍石界においては淡い緑色と高い透明度を誇る産地として有名であり、中国有数の蛍石産地でもあるXianghualing鉱山の標本。

 

淡い緑色、向こう側が見通せる透明度、そして十二面体由来のモディフィケーションというXianghualing鉱山の特徴をしっかり拾ったスモキャビ。母岩付きというところもよし。

取り立てて好きな産地ではありませんが、蛍石蒐集家のコレクションには一つぐらいこの産地のものがあってしかるべきなのかなと。

 

Xianghualing鉱山は恐らくは1990年代中頃より鉱物市場に蛍石を供給しつづけている一大産地です。透明感の高い淡緑色の蛍石が主ですが、青緑の八面体式結晶も産し、白い方解石と共生することも。この地の蛍石もYaogangxian同様に、かつては安価な標本扱いでしたが年々とクラシックな産地扱いされるとともに価格も……

(5/5/2016)

Xianghualing Mine, Linwu Co., Chenzhou Prefecture, Hunan Province, China

Mined in early 2023

3.5cm tall

 

近年価格上昇の著しい蛍石界隈。かつて安価な蛍石の代名詞だった中国産の蛍石(*諸説あります)にも当然価格上昇は波及しています。一方で各種SNSの普及により、中国のディーラーから入手がしやすくもなりました。本当に玉石混淆の中国蛍石界隈です。玉石混淆過ぎて、非常に手が出しづらいのです。

 

され、これ。

元々はアップルグリーンの蛍石で著名だったXianghualing鉱山ですが、2010年代後半頃から無色透明に近い蛍石標本を見かけることが増えました。Xianghualingからそんなの出るのねーと思っているうちに、数年が過ぎ…。むしろその存在が頭の片隅から消えかけた今日この頃、突然貫入双晶になった滅茶苦茶綺麗なのに遭遇しまして。気づいたら10日後にはなぜか自宅にこれ、あったんですよねぇ。

(2023/4/7)


Huang Sha ping Mine

Huangshaping Mine, Huangshaping Pb-Zn-polymetallic ore field, Guiyang Co., Chenzhou Prefecture, Hunan Province, China

57mm×42mm×22mm 

Mined in 2005~2007.

 

中国・Huang Sha ping鉱山のちょっと面白い蛍石。

綺麗なライトグリーンに、変なゾーニングが入っています。

ラベルによると、角閃石のインクルージョン?

 

このタイプは、2005~2007年ぐらいに産出されたもの。

ツーソンで某企業のウェアハウスに眠っていたものを買い付けたとのこと。探していたので、渡りに船。ラッキー。

 (5/5/2016 編)



Manaoshan mine

Manaoshan Mine, Dongpo ore field, Suxian, Chenzhou, Hunan, China

50mm×50mm×40mm  Largest = 18mm


マンガン方解石で有名?な湖南省・Manaoshan鉱山からの蛍石。


灰色がかった青緑色の蛍石が母岩の両面についています。

色合いは中心によるほど緑が濃くなるようで、表面が若干デコボコに成長しているためスリガラスのような印象をうけます。ただ内部はしっかり透明。


湖南省のよくあるとても透明で黄緑色の蛍石よりは確実に暗く青に近い緑、といったところでしょうか。


また面白いことに強蛍光を示し、ブラックライトで青く蛍光します。

是非ともマンガン方解石と共生する標本を蛍光させてみたい!という所です。


この鉱山の蛍石標本の流通となるとほぼ無いようですが、ネット上でもマンガン方解石を伴っているものを若干数確認できます。

この標本は14年度初夏に入手したもの。