ダービーシャーの蛍石

Derbyshireの蛍石というとあまり有名ではないかもしれませんが、

美しい縞模様で有名なBlue Johnの故郷がダービーシャー・Castletonだったりします。

それを除いても、Ladywash  MineやMill Dam Mine, Milltown Quarryなど幾つか流通しています。

Debryshire地域の鉱山の歴史は古く、ローマ帝国がイギリス南部を占領していた時代から鉛を採掘していたのだとか。

Earle's Quarry

 

N.E.Face, Earle's Quarry,Hope, High Peak, Derbyshire, England
Collected in 1973
シャンパンカラーと紫の美しい蛍石標本。これらの色合いやわずかに蝕像をうけた様はアメリカ・テネシー州のエルムウッド鉱山を彷彿とさせますが、イギリス・ダービーシャーの蛍石標本なんです。そういわれるとエッジに紫が強く表れ、わずかに丸みを帯びているのはダービーシャーの蛍石らしいとか、Pindaleの蛍石に似ているかもとか思いませんか?
現在はHope Cement Worksの一部となった採石場で採集された標本です。1929年に稼鉱した当初G.T. Earleが所有していたことからEarle's Quarryと呼称されたのでしょう。その後吸収合併や買収などを経て現在に至りますが、長らくコレクターの採集は禁止されており、現在では標本を見かけることは非常に稀な産地です。
この標本は半世紀近く前に採集された標本です。石灰岩採石場の副産物として蛍石がでてくる、よくあるパターンではあるのですが、実は私も今回入手するまでその存在をしりませんでした。
イギリス人に見せたら「云十年前は自由に入らせてもらえたんだけどねぇ」との由。
(2022/9/2)

 


Mill Dam Mine

Milldam Mine,Derbyshire Fluorite

Mill Dam Mine, Great Hucklow, Derbyshire, England, UK

43mm×32mm×20mm

ex; A.P.Castleton Coll.

 

イギリス・ダービーシャーの蛍石。

バライトの白地の上に、数ミリ程度の濃青色の蛍石が無数についています。

ぱっと見あまり綺麗な標本ではありませんが、ルーペで見てみると結構きれいです。(三枚目に拡大あり)

なお撮影中に結晶がとれてしまいましたが、こういうものの定めなんですかね…。

 

Mill Dam鉱山は蛍石を目的に操業していた鉱山のようで、方解石、アングレサイト、ウルフェナイトなども産出しているみたいです。