ヨークシャーの蛍石
Yorkshireの蛍石は隣接するWeardaleやCumbriaの蛍石に比べると知名度は劣りますが、WensleydaleやGreenhow地域の蛍石が知られています。また、それらの産地と比べると貫入双晶が稀であることが特徴的です。 WensleydaleではSeata鉱山やWet Grooves鉱山などが、Greenhow地域ではElbolton鉱山やGilheads鉱山などが有名な方かもしれません。
なおYorkshireは現在ではNorth YorkshireやSouth Yorkshireなどいくつかの行政区分に分割されていますが、このページではまとめて扱います。
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Seata Mine, Aysgarth, Wensleydale, North Pennines, North Yorkshire, England, UK
30mm×25mm×23mm Largest =3mm
Seata鉱山の紫から琥珀色の蛍石。
数mmサイズですが幾つも宝石質なものが散らばって、色とりどり。
無色の上に紫色の皮を被るものがあれば、黄色に紫のゾーン有というものまで色々楽しませてくれます。
このSeata鉱山ですが、蛍石は滅多に10mmを超えることはありません(大抵2,3mm~7mmとかその程度)。しかし、その紫から黄色の混じりの色合いと十分な透明度が合わさってとても綺麗なのです。
初めてこの産地のものを見たときビビビ!と来て、それ以来私の蛍石好きな産地ベスト10には入るレベル。
Elbolton Mine, Elbolton Hill, Thorpe, Grassington, Wharfedale, North Pennines, North Yorkshire, England, UK
27mm×27mm×20mm
Elbolton鉱山の独特の紫色~インクブルーをした蛍石のかけら。
なんだかザラザラという言葉が似合いそうな外見と紫色ですが、
この産地の蛍石は大体こういう感じの様です。
ヨークシャー・Wharfedale-Greenhow地域の蛍石の特徴として中心が白外側が紫というのがありますが、これもそういった色合いと言えるかもしれません。(下にあるGilheads鉱山もこの地域の物です)
Gillheads Mine, Skyreholme, Yorkshire, United Kingdom
20mm×32mm×22mm Largest =15mm
なにかと良く見かけるイギリス産蛍石ですが、そのわりに珍しめの産地であるヨークシャー・Gillheads鉱山産の蛍石。
色はほぼ無色でわずかに紫色のゾーニングを伴い、透明度もそこそこですが、黄銅鉱をインクルージョンしている点が面白いです。
黄銅鉱と共生しているものなどもわりと見ますが。
ちなみに、Gillheads鉱山は古くは1700年以前から鉛の採掘が行われ、20世紀以降はヨークシャ州最大の蛍石鉱山でしたが80年代初頭に操業停止しています。
この産地の蛍石は写真もあまり出回っていませんが、見る限りでは黄銅鉱のインクルージョン及び、紫色のゾーニングを僅かにともなった無色の結晶である点が特徴的のようです。
まさしくこの標本もそうですね。