チェコの蛍石
隣国であるドイツの蛍石が非常によく知られる一方で、チェコの蛍石も時折見かけます。 良く見かけるものとしては、Krupka一帯の物やLitice nad Orlicíの物などがあげられるでしょうか。 しかし、あなたは知っていましたか?実は蛍石のType LocalityがチェコはボヘミアのJáchymovであるということを。
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Litice nad Orlicí, Žamberk, Hradec Králové Region, Bohemia, Czech Republic
Miniature Sized
稀にみかけるチェコの緑色の八面体。
色合いとしては鮮やかなミントグリーンで好みの物。が、どうもフロストな表面のものが多い点を含めてドイツのArtenberg Quarryとかぶる。方解石の形や、鉄分による斑点があるかなどで判別は容易ではありますが。ダメージや形の問題はあるんですが、この産地のものとしてはかなり見た目のいい標本でいわゆるGood representative
Štramberk, Nový Jičín District, Moravian-Silesian Region, Czech Republic
Small Cabinet Sized
チェコの蛍石というのは概して知名度は高いとは言えません。
その中でも比較的まだ見かけるものと、全く見かけないものに二分するのであれば、このŠtramberkにある石灰岩採石場から産する蛍石は後者と言えます。
実のところ私も全然存在を知らなかったんですよね、ある日チェコ人の鉱物コレクターが方解石にのった球状の蛍石を披露してくるまでは。そんな珍品を見せられた欲しくなるのがコレクターの性というもの。しかし探せども売り物は全然見つからないっていう。ようやく見つけたのがこの標本。
方解石の上に、茶色い蛍石がパズルのように重なって半球状となる様子がよくわかるかと思います。
確かに”とびっきり”の標本ではないです。ですけれども、それぐらいに稀少だということなんでしょう。
(2020/3/20)