モンゴルの蛍石
基本的にモンゴルの蛍石は珍しいものです。産出が乏しいわけではなく、どうも様々な事情で標本市場には出回らないのです。そのような状況の中で最も知名度があったものは、緑あるいは紫系統のBujiger Mineの2000年代中盤(05年~06年頃)に出回った標本群でしょう。そのかすかな残滓を今でも深いネットの海では探すことができす。あるいはHutag Ull Ordの標本を見たことがあるという人もいるかもしれません。 しかし事情がやや変わったのは2019年のツーソン前です。東欧のある集団が、2017~2018年の間に数えきれないほどの蛍石を採集していたことを公表して、市場に供し始めたのです。今では溢れ返るほど、とはいきませんが、各地のミネラルショーで目にする機会もあることでしょう。 (2019/9/9) |
Choir area, Gobi Desert, Mongoila
Collected in 2017-2018
Miniature Sized
モンゴルの新産の蛍石。
世界的に散々プロモーションされているためもうお腹いっぱいという人も中にはいるかもしれませんし、まだまだ見たことがないという人もいるかもしれません。
様々な事情があるのでしょう、かなり漠然とした表記のみです。現在供給されているタイプには大きく色で分けると緑系統と紫系統、母岩や細かな色合いが異なるものもいくつかあり、実際のところ一つの産地ではなく、複数の産地で採集したと推測されます。
この淡い緑色で半透明の蛍石が薄いカルセドニーにのるタイプはその中の一つで、時に黄色く細い方解石とも共生するようです。トリミングが甘いと感じるような標本が多いなかで、これはまずまず好みのサイズや形をしてくれているでしょう。当分の間はまだまだ供給は続きそうな雰囲気です。より好みの標本を手に入れることができ、より詳細な情報が今後開示されると良いのですが、どうなることでしょう。蛍石の神のみぞ知る、ですね。
(2019/9/9)