パキスタンの蛍石
カラコルム山脈やヒンズークシ山脈を北部に擁するパキスタン北部は、そのペグマタイトから産する蛍石でよく知られています。 中でも有名なのはChumar Bakoorであり、白雲母とともに産するアクアマリンやアパタイト、トパーズとともにピンク色の蛍石は美しいものです。 またStak Nalaの緑色でUVに今日反応をしめす蛍石や、Yunoの緑色の蛍石など多くの蛍石も知られています。 また以前より知られてはいましたが、特にここ数年でBalochistan州の蛍石が市場にあふれ出してきているのもあり、パキスタンの蛍石は本当によく見かけるものの一つかもしれません (11/27/2016) |
Shigar Valley, Skardu District, Baltistan, Gilgit-Baltistan , Pakistan
65mm×60mm×25mm
パキスタンはShigar Valleyの蛍石と白雲母。
パキスタンの蛍石については文献を少し読んだ程度で、詳しい知識もないため、Shigar Valleyより詳しい産地は推測できず。ただし、蛍石と白雲母というコンビネーションからはパキスタンらしさがあふれ出してくるためまぁよいのだ。
ロシアのDal'negorskや中国の内モンゴルに似た感じの蛍石でとてもクリアーな色合いですが、八面体が強く表れた結晶形はやはりパキスタン。
若干内部が緑色・ピンク色になっていますが基本的にはほぼ無色透明といってもいいでしょう。
紫外線長では一応青色に蛍光します。
(11/27/2016 編)
Chumar Bakhoor, Hunza Valley, Gilgit District, Gilgit-Baltistan, Pakistan
Ex. Nagae Collection
Small Cabinet Size
パキスタンと言えばこれ。Chumar Bakoor のピンクい蛍石。
ピンク蛍石の中にも、白雲母に八面体や十二面体を基調とする蛍石がつくものや、中にはスピネル式双晶となっているものが知られますが、これはスピネル式双晶となっているもの。
透き通った桃色は美しく、ショール?の内包が一部では見られます。
フランスやスイスとは少し趣の異なるお清楚ピンクかもしれませんね。これで時には水色のアクアマリンや、シェリー酒色のトパーズと共生したりするものですから、まったくなんということだ。
今年から始まった新たな石イベント・石フリマにおいて、コレクターの方と交換して入手したもので、以前の持ち主は2009年にこれを入手されたようだ。スピネル式双晶が市場に出回り始めたとされる時期を勘案すると、2000年代に産出したものなのだろう。
こういった交換もできるイベントと考えるとありがたい。
(11/27/2016 編)
Chumar Bakhoor, Hunza Valley, Gilgit District, Gilgit-Baltistan, Pakistan
30mm×30mm×17mm
アクアマリンだったり、燐灰石だったりピンク色の蛍石がとれることで有名な産地の蛍石。
この標本は半透明の緑色をした八面体式の結晶ですが、極僅かに内部はピンク色。つまることろはバイカラー。
この産地の物は白雲母との共生が基本的であり、このサムネイルにも白雲母が付着していた跡が見受けられます。
パキスタンのピンク蛍石としては一級の産地であり、スピネル式双晶となった蛍石もでたりするですが…どちらにせピンクは高価で諭吉さんを生贄に召喚しようにも生贄の数がたりないことになるのが悲しいところ、
ちなみにChumar Bakhoorの発音は”ちゅまー・ばこー”らしい。
(5/22/2016 編)
Kharan, Balochistan, Pakistan
Miniature size
Mined in 2015-2016
いつからかは正確には記憶していませんが、2015年ごろからパキスタンのKharanやBalochistan産とされる蛍石が市場にあふれています。その色合いは薄い紫や灰青色、あるいは少し濃い青色の蛍石が多く犬牙上方解石を伴うことも多いものです。
サイズもスモールキャビネットサイズ以上が多い中、この標本はミニチュアサイズでしっかりとした青色、ファントムも綺麗なもの。
一旦はこれでこの産地は満足。しかしながら、今後も少し違うタイプが出てくる可能性もあるでしょうし、そもそも正確な鉱山あるいは産地名がまだ聞こえてきません。数年後にはしっかりとした産地名がわかっているといいのですが・・・
(11/13/2016)